銀杏の食べ過ぎに注意!中毒の症状や対処法と食べる個数の目安
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串焼きにしたり茶碗蒸しの中に入れたり、秋の和食には欠かせない銀杏。
小さくて食べやすいため何個でも食べられそうですが、「年の数以上食べてはいけない」などと言われたことはありませんか?
銀杏を食べ過ぎると、大変なことになってしまいます。
そこで、銀杏の中毒症状と対処法、食べる際の注意点をまとめてみました。
銀杏の食べ過ぎ注意の理由
銀杏を食べ過ぎると、痙攣などの中毒症状が発症する可能性があります。これは、銀杏に含まれるギンコトキシンが関係しています。
ギンコトキシンとは有毒成分のことで、ビタミンB6の働きを邪魔します。ビタミンB6は、脳内の神経伝達物質「GABA(ギャバ)」の生成に必要な成分です。
GABAには、興奮した神経を落ち着かせたり、ストレスをやわらげたり、リラックスさせたりする働きがあります。GABAが不足すると脳が異常に興奮した状態になり、痙攣などを引き起こします。
ビタミンB6が不足している状態では、銀杏を食べる量が同じでも中毒は起こりやすくなります。銀杏は栄養価が高いですが、食べ過ぎは危険ということですね。
銀杏中毒の症状
銀杏中毒の症状は、様々な形で表れます。
- 吐き気、嘔吐
- 不整脈
- 顔面蒼白
- 意識がもうろうとする
- 下半身が麻痺する
- 呼吸困難
- めまい
- 便秘
- 発熱 など
個人差はありますが、食べてから4時間から6時間ぐらいで発症することが多いと言われています。1時間で発症することもあるようです。
銀杏中毒の症例
日本では、2015年7月時点で70例の銀杏中毒が報告されており、死亡率は31%にものぼります。
症例は41歳,女性。既往歴特記事項なし。銀杏60個を摂食し,4時間後から嘔気,嘔吐,下痢,めまい,両上肢の振戦,悪寒が出現した。6時間後救急要請,当院に搬送となった。
引用元:日本救急医学会雑誌
夕食に50個の銀杏を食べ、6時間後に突然意識を失い、ケイレンを繰り返した5歳の子どもを診たが、幸いに生命はとりとめることが出来た。
引用元:ナオルコム
四国で三歳の幼児が夕食にギンナンを六、七粒食べ、その日深夜に吐いて左手がこわ張る中毒症状を起こした。目は片側を向きっぱなしになり、名前を呼んでも反応がなくなった。救急車で病院に運ばれ、しばらく入院した。
中毒症状を発症した人のうち、7割以上は10歳未満の子供と言われています。50個もの大量の銀杏を食べて意識を失ったケースはありますが、小学校に上がる前の子供は少量でも注意が必要です。
子供が銀杏中毒を起こしたら、できるだけ早く病院に行って、銀杏を食べたことを医師に伝えましょう。
銀杏の中毒が出た時の対処法
様々な中毒の情報を提供している日本中毒情報センターによると、銀杏中毒が起きてしまった場合の対処法を次のように述べています。
- 痙攣を引き起こすため吐かせてはいけない。
患者が病院で確認されること
- いつ食べたか。
- 何個食べたか。
- 発症したのはいつ頃か。
病院での対応
- 一時的に症状が治まっても再び痙攣が起きる可能性があるため、入院させて経過を見る。
- 痙攣を抑える薬とビタミンB6を補う効果のある成分を投与する。
中毒症状が発症した場合、その時の情報を詳しくメモしておきましょう。医師が診察する時に、原因と病状を判断しやすくなります。
また、処置には専門的な知識が必要になります。家庭で対応しても症状が良くなることはないため、すぐに病院に連絡しましょう。
病院で適切に処置すれば、半数の人は中毒症状が出てから24時間以内に回復し、遅くとも90時間ほどで回復するようです。
では、何個までなら食べても大丈夫なのでしょうか?
銀杏は一日何個まで食べて良い?
過去に中毒がおきたケースを見ると、銀杏を食べて良い個数の目安はこのようになります。
子供(7歳~15歳) | 6粒 |
大人(16歳以上) | 40粒 |
もちろん個人差はあるので、この個数までなら食べても大丈夫と断言することはできません。体調や食生活、生活習慣によっては、大人でも数粒で中毒を引き起こす場合があります。以下の場合は、特に注意が必要です。
小学生になる前の子供
大人は肝臓にギンコトキシンを解毒する酵素を持っていますが、子供は肝臓が未発達のため、酵素が足りずに解毒する力が弱いと言われています。小学生になる前の子供には食べさせない方が良いでしょう。
薬を服用している
ギンコトキシンは、他の薬の作用を強めたり弱めたりする可能性があります。不整脈を治療する薬、抗生剤、抗うつ剤などを服用している場合は、銀杏を食べても良いか医師に確認しましょう。
ビタミンが不足気味
ビタミンが不足しがちな次のような人は注意が必要です。
- 妊婦
- 疲れている人
- ダイエット中の人
ビタミンが不足していると中毒が起きやすいので、「目安量の範囲内だから大丈夫」ということにはなりません。食べない方が良いですが、もし食べる場合は1〜2個にしておいた方が良いでしょう。
銀杏の毒を減らす方法はある?
ギンコトキシンは、加熱することで減少すると言われています。普段のお料理に取り入れる場合は、しっかりと銀杏を加熱して食べることが重要です。
だたし、ギンコトキシンは熱に強く、煮たり焼いたりしても完全に消失する事はありません。「熱を通したから大丈夫」と安易に考えて食べ続けると、中毒症状を発症する可能性が高いです。
調理しても、「銀杏にギンコトキシンは残っている」ということを覚えておきましょう。
まとめ
銀杏は食べやすいサイズのため、大人も子供も知らないうちに何個でも食べてしまいそうですよね。食べるときは気を付けたいものです。
銀杏を食べるときは、食べ過ぎ注意ということを頭に入れておきましょう。中毒症状が起きると、自分が大変な状態になるだけでなく、周りの人にも迷惑をかけてしまいます。
最近は銀杏中毒の症例は減少傾向にあるようですが、油断はできません。食べる個数に気を付けて、おいしくいただきたいですね。