十分と充分の違いは?正しい使い分けとそれぞれの意味を紹介
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「十分」 と 「充分」
例えば、「じゅうぶんに楽しむ」と書くとき、どっちを使えばいいのでしょうか?
正しく使えているのか、心配になることがありますよね。
そこで、十分と充分の意味や違いと正しい使い分けを紹介します。
「十分」と「充分」の意味と違い
まずは、それぞれの意味を見てみましょう。
大辞林によると、
【十分・充分】
条件を満たして,不足がないさま。満足できるさま。
と解説されています。
同じ見出しで説明されているので、意味に違いはありません。
では、どのように使い分ければ良いのでしょうか?
「十分」と「充分」の使い分け
「十分」と「充分」は、どちらを使っても間違いではありません。
一般的には、「十分」の方が多く使われているようです。
もし使い分ける場合は、「十」と「充」の違いに焦点を当てると分かりやすいです。
「十」が数字であることから、物理的・客観的に満たされた状態を表す。
例文
・お風呂にお湯が十分に溜まった。
・お皿の数は5枚で十分だ。
「充」は「充たされる」であり、精神的・主観的に満たされた状態を表す。
例文
・今日は充分働いた。
・車には充分に気をつける。
・充分に楽しんだ。
物理的なのか精神的なのかで使い分けができます。
どちらを使っても間違いではありませんが、場面に応じて使い分けた方がいいでしょう。
特に、「十分」を使う場合は注意が必要です。
不足がない「十分」なのか、時間の「10分」なのか
を判断しにくいことがあります。
例えば、
「時間はまだ十分ある」
と書かれていれば、どちらの意味としても解釈できます。
全体時間を60分として、30分経過したとすれば、
「残り時間は30分もある」
という意味になります。
◯時間の「10分」の場合
全体時間を60分として、50分経過したとすれば、
「残り時間はまだ10分ある」
という意味になります。
紛らわしくならないように、文章を調整する必要があります。
公式文書や学校の教育では「十分」に統一されています。
しかし、日本国憲法第37条では「充分」が使用されています。
第37条 すべて刑事事件においては、被告人は、公平な裁判所の迅速な公開裁判を受ける権利を有する。
刑事被告人は、すべての証人に対して審問する機会を充分に与へられ、又、公費で自己のために強制的手続により証人を求める権利を有する。
刑事被告人は、いかなる場合にも、資格を有する弁護人を依頼することができる。被告人が自らこれを依頼することができないときは、国でこれを附する。出典元:http://www.sangiin.go.jp/japanese/aramashi/houki/index.html
紛らわしいため、「じゅうぶん」とひらがな書きを採用している文書もあります。
迷ったときは「十分」を使うのが無難です。
ただし、相手に意味が伝わるように文章を書きましょう。
まとめ
以上、十分と充分の意味や違いと正しい使い分けでした。
どちらの漢字を使っても間違いではありません。
文章の書き方によっては、時間の10分と解釈される可能性があるので注意が必要です。
そうならないようにするためには、状況に応じて使い分けた方が良いかもしれませんね。
物理的に満たされた状態なら「十分」。
精神的に満たされた状態なら「充分」。
覚えるのが面倒であれば、公式文書や学校の教育で統一されている「十分」を使うのが無難でしょう。