思いと想いの違いは?正しい使い分けとそれぞれの意味を紹介
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思い と 想い
例えば、「おもいを伝える」と書くとき、どちらを使えば良いか迷いませんか?
使う場面は結構ありますが、何となく使っているという人は多いものです。
そこで、思いと想いの意味や違いと正しい使い分けを紹介します。
思いと想いの意味と違い
漢字辞典では、次のように解説されています。
「思」
- おもう。考える。考えをもつ。
- おもう。いとおしくおもう。心にかける。
- おもい。気持ち。考え。
引用元:漢字辞典オンライン「思」
「想」
- おもう。心の中で考える。おもいめぐらす。
- おもい。考え。
引用元:漢字辞典オンライン「想」
どちらも「考える」ことを表しているため、漢字辞典では明確な違いは見当たりません。
次に、漢字の成り立ちを見てみましょう。
「思」という漢字
「子児の脳」の象形と「心臓」の象形から頭脳と心で「おもう」を意味する「思」という漢字が成り立ちました。
引用元:漢字辞典-OK辞典「思」
「想」という漢字
「大地を覆う木の象形と目の象形」(事物の姿を「みる」意味)と「心臓の象形」から、心にものの姿をみる、「おもう」を意味する「想」という漢字が成り立ちました。
引用元:漢字辞典-OK辞典「想」
漢字の成り立ちを考えると、頭と心で考える場合は「思い」、心にイメージする場合は「想い」となります。
また、文化庁(国語の改善・普及・施策などの役割を担う)が1988年に発行した書籍「「ことば」シリーズ29 言葉に関する問答集14」には、次のように記載されています。
「思う」は一般的に広くおもう場合に使われ、思考・思案・思索・思慮・意思などの漢語をつくるが、「想う」はある対象を心に浮かべるという気持ちが強く、想起・回想・追想・感想・予想・夢想・空想・発想などの漢語を構成する。特に、想を練る・楽想・構想・詩想などの語は、絵画や音楽・小説などの組み立てについて考えるという意味を表している。
「漢字辞典」「漢字の成り立ち」「文化庁が発行した書籍の内容」をまとめると、このようになります。
思い:広い意味で使われる。
想い:心にイメージする場合に使われる。
さらに、「思い」は常用漢字に指定されています。常用漢字とは、公用文書などで使用する漢字の目安を示すものです。そのため、新聞などでは「思い」が使われます。
では、どのように使い分けたら良いのでしょうか?
思いと想いの使い分け
「思い」は広い意味で使われるため、次のような場面で使うと良いでしょう。
場面 | 例文 |
---|---|
相槌を打つ | そうだと思います。 |
意見を言う | その考えは間違っていると思います。 |
履歴書を書く | 私の力を御社に活かせると思います。 |
願望 | そうあってほしいと思います。 |
予想外の結果 | こうなるとは思いもしなかったです。 |
「想い」は心にイメージする場合に使われるため、次のような場面で使うと良いでしょう。
場面 | 例文 |
---|---|
懐かしむ | 故郷を懐かしく想います。 |
感情を表す | あなたのことを想っています。 |
私の想いは強くなる一方です。 | |
想いを込めて歌います。 |
「想い」を「思い」に置き換えても違和感はありませんが、「思い」を「想い」に置き換えると場合によっては違和感があります。
「〇〇だと思います。」
「〇〇だと想います。」
「想います。」だと違和感がありますよね。「想い」は使う場面を限定した方が良く、あまり多用するべきではないかもしれません。常用漢字である「思い」を使うことを心がけると良いでしょう。
まとめ
それぞれの違いをまとめると、このようになります。
- 広い意味で使われる。
- 常用漢字であるため、公的な文書などで使われる。
- 「想い」を「思い」に置き換えても違和感はない。
想い
- 心にイメージする場合に使われる。
- 常用漢字ではないため、公的な文書などでは使われない。
- 使われ方が限定される。
- 使い方によっては違和感があるため、あまり多用しない方が良い。
「思い」と「想い」のどちらを使っても間違いではありませんが、迷ったときは常用漢字である「思い」を使うようにしましょう。